業種
お困りの問題
担当弁護士

最終更新日:2026年1月21日

ご相談に至る経緯

運送会社を営むX社様は、以前、従業員との間で生じたトラブルの解決のために、当事務所にご依頼いただいておりました。

その後、X社様は運輸局から監査を受けました。監査を受けたのち運輸局からの連絡はしばらくなかったものの、ある日突然「X社に対し予定している処分は〇日の車両停止です。弁明したい場合には10日以内に弁明書を支局に提出してください」という内容の通知が届きました。

X社様はどのように対処していいのかわからず、当事務所に再度ご依頼いただきました。

解決までの流れ

X社様は、違反と指摘された内容について事実関係を把握できていない状況でした。

そのため、違反と指摘された項目について、具体的な事実を確認する必要がありました。また、違反と指摘された項目について、項目を確認しても、そのような違反はしていないと思われる部分もありました。

しかし、支局に対する事実関係の確認、それに基づく資料の確認、弁明書を作成して支局に提出するという一連の作業を土日も含めた10日以内で完了させることは困難です。

そのため支局に対し、弁明期限の延長を打診しました。

結果・成果

当初、弁明期限の延長を打診したものの、支局はこれを拒否しました。法律上は弁明期間が10日程度あれば違法にならないということで、弁明期限の延長を拒否するという返答でした。

しかし、10日以内に違反と判断している具体的な事実関係を支局から聴取し、それに関する資料を確認し、弁明書を作成するのは事実上不可能です。そのため、期限を延長しないことは実質的に弁明の機会を与えていないのと同様であることを指摘し、延長に関する交渉を続けました。

そうしたところ、弁明期限の延長が認められ、当初の期限から約1か月延長することができました。

担当弁護士のコメント

監査での指摘事項は不明確なことがある

運輸局や支局から監査を受けた際に、「具体的にどこがどう法律などに違反しているのか」という点については、明確に告げられない場合も多いです。

また、監査の時に告げられていたとしても、次から次に資料の提示や事実関係の確認がなされる状況において、運送会社様がその場でメモをする余裕もありません。

会社として早急な回答が難しい理由

運輸局から運送会社様に弁明の機会の付与通知が来るのは、監査から何か月も後(場合によっては1年近く経ってから)というケースが非常に多いです。

そのため、弁明の機会付与の通知が来たころには、監査で指摘された事項がどのようなものであったか忘れてしまっている運送会社様も多いです。

しかし、運輸局からの弁明の機会付与の通知には、違反とされる項目しか記載されていません。たとえば、「運転者の運転時間について改善基準告示に違反した」というような内容で記載されています。

これを見ただけでは、どのドライバーについて、何月何日の運転について改善基準告示に違反したのか?というのはわかりません。

具体的な事実関係を確認する必要性と必要な期間

監査の結果に対し弁明する場合には、前提として運輸局が違反と判断している具体的な事実関係について確認する必要があります。

こういった事実関係の確認の必要も踏まえると、10日以内という弁明期限は、不十分であると言わざるを得ません。

ところが、運送会社様から支局に対し弁明期限の延長を打診してもけんもほろろな対応をされてしまうことが多いです。

そのため、弁明を予定している運送会社様は、早めに弁護士に相談されることを強くお勧めします。

監修者:弁護士 前原彩

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